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コンビニ大手3社のカスハラ対策を比較|セブン・ファミマ・ローソン、それぞれの工夫

小売編

2026.10.07 カスハラ対策ウォッチ|小売編①

カスハラ対策を公表している企業は数多くありますが、同じ業態で足並みを比べられる例はそう多くありません。その点、コンビニ大手3社は2024年に相次いで方針を公表し、2026年10月の義務化を機にそろって対応を強化しています。今回はこの3社を比較してみます。


方針策定の時系列

時期動き
2022年10月セブン-イレブン、加盟店向け「カスタマーハラスメント対応ガイドライン」を策定(非公開)
2024年8月9日ローソン、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を制定・公表
2024年9月5日セブン-イレブン、対外公開版「カスタマーハラスメントにおける対応指針」を公表
2024年9月6日ファミリーマート、「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定・公表
2024年10月28日セブン-イレブン、告知ポスター掲示と従業員名札の仕様変更を実施
2026年10月1日3社そろって義務化に合わせた対策強化を発表

対外公開の順番だけ見ると2024年8〜9月に3社が出そろった形ですが、実は社内向けの指針としてはセブン-イレブンが2022年の時点で先行していました。表に出るタイミングと、実際に現場で動き出したタイミングは必ずしも一致しません。


名札・入店拒否──各社のとがった対策

3社とも「方針を定め、研修し、相談窓口を整える」という基本の型は共通していますが、具体策には違いがあります。

セブン-イレブンは、従業員名札の仕様を変更し、ひらがな・カタカナの苗字表記に加えて、イニシャル、役職名のみ、アルファベットや漢字表記、ビジネスネームの使用も選べるようにしました。外国人従業員の増加と、プライバシー保護の両方を意識した対応です。

ローソンは、基本方針の中で「悪質な場合は今後の入店を拒否する場合がある」と明記しました。対象行為も「商品・備品等の損壊」「威圧的な言動」「差別的な言動」などと具体的に列挙し、現場が判断しやすい形にしています。

ファミリーマートは、カスハラが起きた場合に警察や弁護士など外部の専門家と連携して厳正に対処する、という外部連携を前面に出した方針になっています。


2026年10月、義務化を受けた3社三様の動き

義務化の施行日である2026年10月1日前後、3社はそれぞれ異なる角度から対策を上乗せしました。

  • セブン-イレブン:既存のガイドラインを社員へ改めて周知するとともに、各都道府県の相談窓口の案内や、専門家監修の冊子を通じた加盟店支援を継続。新たに自社の採用活動におけるハラスメント防止の取り組みも開始しました。
  • ファミリーマート:「就活ハラスメント防止指針」と行動マニュアルを新たに整備。リクルーターや面接官に対し、個人携帯での連絡禁止、個室での密室面談禁止、飲酒・食事を伴う会食の禁止など、かなり具体的なルールを明文化したのが特徴です。お客様相談室を求職者向け相談窓口としても機能させています。
  • ローソン:加盟店のオーナーや店舗責任者が無料で使える、弁護士対応の「カスハラ専門相談窓口」を新設。店舗向けマニュアルも改定し、判断基準やエスカレーション基準を明確化しました。求職者向けには面接官のeラーニングなど、セクハラ防止策も同時に講じています。

共通点は「採用・就活ハラスメント」との同時対応

3社に共通しているのは、店舗でのカスハラ対策だけでなく、採用・就職活動時のハラスメント対策も同時に強化している点です。これは偶然ではありません。2026年10月1日は、カスハラ防止措置の義務化と同時に、改正男女雇用機会均等法により求職者等へのセクハラ防止措置も義務化された日だからです。

コンビニのように採用数が多く、面接の機会も多い業態では、「お客様対応」と「採用活動」という2つの対人接点を同時に整備する必要があったことが、3社の動きから見えてきます。


まとめ

コンビニ大手3社を比べると、「方針を作る」のはどこも早かった一方で、2026年10月の義務化を機に、名札、入店拒否の明記、外部連携、専門相談窓口、採用ルールの明文化など、各社が自社の事情に合わせて少しずつ違う重点の置き方をしていることが分かります。これから方針を整備する事業者にとっても、どこに力点を置くかを考えるうえで参考になりそうです。


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