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どこからが犯罪?威力業務妨害・不退去・脅迫・強要罪が成立する「境界線チェックリスト」

基礎知識・法改正

2026.10.13 更新(初稿:2026.08.13)

現場で対応に当たる担当者が最も迷うのが、「これはクレーム」か「これは犯罪」かという境界線です。東京都の各団体共通マニュアル等も踏まえ、現場で成立しうる代表的な刑法犯罪と、警察通報の実務ステップをチェックリスト形式でまとめました。

なお、ある言動が一般的な「カスハラ」に当たるかどうかの判断基準(要求内容の妥当性と手段・態様の相当性)については、「カスハラと正当なクレームの違いとは?判断基準・チェックリストを徹底解説」で詳しく解説しています。この記事は、その中でも刑事事件として警察が動きうるレベルに絞って整理したものです。


1. 代表的な刑法犯罪一覧

犯罪名根拠条文
不退去罪・建造物侵入罪刑法第130条
威力業務妨害罪刑法第234条
脅迫罪刑法第222条
強要罪刑法第223条
恐喝罪刑法第249条
暴行罪刑法第208条
傷害罪刑法第204条

2. 現場用「境界線チェックリスト」

以下の7カテゴリのうち、1つでも当てはまる言動があれば、刑事事件として警察に相談すべき可能性が高いサインです。

カテゴリ該当しうる言動の例
身体・生命への危害殴る、物を投げる、刃物をちらつかせる等
脅迫・言動「痛い目に遭わせる」等、生命・身体・財産への害悪を告知する
ネット晒し実名・店舗名を挙げての誹謗中傷、根拠のない投稿(名誉毀損罪に該当する可能性)
不当要求「土下座しろ」「上司を今すぐ呼べ」等、義務のないことを強制する
金品要求「慰謝料として〇〇万円支払え」等、害悪の告知を伴う金品の要求
居座り・拘束退去要求に応じず居座り続ける、長時間にわたり対応を拘束する
業務妨害大声を出し続ける、繰り返し電話をかけ続ける等、業務の遂行を妨げる

※上記はあくまで目安です。実際の犯罪の成否は、個別の状況・証拠によって判断されます。該当すると思われる場合も、断定はせず、まずは社内の対応フローに沿って記録を残し、必要に応じて警察・弁護士に相談してください。


3. 警察通報の実務ステップ

  1. 複数人で対応し、録音・録画を残す:一人で対応せず、必ず複数名で対応にあたり、やり取りを記録してください
  2. 退去要求を明確に伝える:不退去罪の成立には、退去を求める意思を相手に明確に伝えたことが重要な要素になります。法的には1回の明確な意思表示で足りるとされていますが、実務上は誤解を避けるため、2〜3回、分かりやすい言葉で繰り返し伝えることをおすすめします
  3. 通報する旨を事前に伝える:「このまま居座られる場合は警察に通報します」と、通報の意思を事前に伝えておくと、相手の行動を抑止できる場合があります
  4. 110番通報する:緊迫した状況では、ためらわず110番通報してください。「録音・録画データの残し方と証拠能力」で紹介した110番映像通報システムも活用できます

4. まとめ

「クレームか犯罪か」の判断に迷ったときは、このチェックリストを目安に、まずは社内の対応フローに沿って記録を残してください。該当する可能性がある場合は、現場の一人の判断に任せず、組織として警察・弁護士への相談を進めることが重要です。

▶ カスハラ支援制度データベースを見る


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出典・参考

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