三重県カスハラ防止条例
三重県 雇用経済部 雇用対策課 働き方改革・人材育成班
施行日2027年4月1日
三重県カスタマーハラスメント防止条例
【公布されました。施行は令和9年(2027年)4月1日です】
令和8年(2026年)10月16日に三重県議会が議案第98号「三重県カスタマーハラスメント防止条例案」を原案どおり可決しました。
採決は全会一致です(定数46・出席45・賛成45・反対0)。
令和8年10月19日に公布され、三重県条例第32号になりました(三重県公報 令和8年10月19日 号外)。施行は令和9年(2027年)4月1日で、それまでに事業者がこの条例に基づいて何かをしなければならないわけではありません。ただし準備期間は半年しかありません。
【「指針」が施行日より前に公表される可能性があります】事業者が講ずるよう求められる措置は、条例第14条第1項が「指針に基づき」と定めています。つまり何をすればよいかは指針が決めますが、指針はまだ公表されていません。
公布された条例の附則は、施行日(令和9年4月1日)より前でも県が指針を定めて公表できると定めています(附則第2項)。この附則の規定は公布の日から効力を持っています(附則第1項)。審査会の設置に必要な行為も施行前に行えるとされています(附則第4項)。
→ 指針が出たら、そこで初めて具体的な作業が分かります。雇用経済部雇用対策課のページを、年明けから折々ご確認ください。
【全国で初めて罰則を持つカスタマーハラスメント条例です】ただし罰則の対象は顧客等であって、事業者ではありません。事業者に課されるのは努力義務だけで、対策を講じなかったことに対する罰則や公表の規定はありません。
【誰であれカスハラは禁止です】条例第4条は「何人も、カスタマーハラスメントを行ってはならない」と定めています。
【事業者に求められること(努力義務)】
・カスハラ防止対策を主体的かつ積極的に講ずること(第8条第1項)
・自社の就業者が顧客等の立場で、取引先の中小受託事業者などにカスハラを行わないようにすること(第8条第2項)。自社が被害を受けないようにするだけでなく、自社が加害者側にならないようにする責務が条文に書かれています
・指針に基づき、基本方針の策定及び公表、必要な体制の整備、カスハラ防止のための手引の作成その他の措置を講ずること(第14条第1項)
・就業者がカスハラを受けた場合は、速やかに就業者の安全を確保し、行った顧客等に中止を要求すること(第14条第2項)
いずれも文末は「努めなければならない」で、努力義務です。
【悪質な事案は知事に申し出ることができます】第14条第2項の措置(安全確保と中止の要求)を講じたにもかかわらず中止されない場合、事業者は知事に申し出て、適切な措置を講ずるよう求めることができます(第15条)。対象は「特定カスタマーハラスメント」として条例が限定列挙している次の4類型です。
・正当な理由がないのに、長時間にわたり、又は反復して、金銭・物品その他の利益の供与を要求する/謝罪又は面会を要求する/拒否したにもかかわらず業務上著しく対応困難な要求を行う
・正当な理由がないのに、大声を発し、又は虚偽の事実を申し立てるなど就業者に著しく不安をいだかせるような方法で、上記の行為を行う
・正当な理由がないのに、長時間にわたり、又は反復して、卑わいな言動を行う/つきまといを行う
・正当な理由がないのに、就業者を著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、卑わいな言動又はつきまといを行う
申出を受けた知事は、三重県カスタマーハラスメント防止対策審査会の意見を聴いたうえで、その顧客等に対し禁止命令を出すことができます(第16条第1項・第2項)。命令の効力は命令の日から1年以内です(同条第5項)。命令の内容は公表されることがあります(同条第4項)。
この命令に違反した者は、五十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます(第21条)。
【申出の前に自社の対応が必要です】知事への申出ができるのは、事業者が第14条第2項の措置を講じたにもかかわらず中止されない場合に限られます。
基本方針や相談体制を整えていないまま申し出ることは想定されていません。施行までの半年間が準備期間になります。
【正当なクレームは妨げられません】第5条は「顧客等からの要望の申出、権利行使等が不当に妨げられることのないよう十分に留意しなければならない」と定めています。
【条例が守るのは誰か】条例の「就業者」は、賃金を支払われる労働者のほか、
事業者の役員又は代表者、代表者と同居する親族で業務に従事する方を含みます(第2条第2号)。個人事業主ご本人や、家族で営む事業の従業者も条例上の保護対象です。
【2026年10月1日から国の措置義務が別にあります】労働施策総合推進法に基づくカスハラ防止措置は、企業の規模や業種を問わず、労働者を雇用するすべての事業主がすでに講じなければならないものです(中小企業の適用猶予はありません)。県条例の努力義務とは重みが違います。条例の施行を待つ必要はありませんので、国の措置義務の内容を先に確認してください。
【県の支援策があります】三重県は条例の制定前から事業者向けの支援を用意しています。カスタマーハラスメント防止対策相談窓口(0120-438-028)、法律相談窓口(予約制)、防止対策セミナー、アドバイザー派遣などです。知事は可決後、施行までの半年間に啓発ポスターやセミナーを通じて内容を周知したいと述べており、新しい支援策が追加される可能性があります。雇用経済部雇用対策課のページで確認してください。
【条例本文について】このページの条文の引用は、公布された条例本文(三重県公報令和8年10月19日 号外)によるものです。令和8年6月に公表された「最終案」と機械的に照合したところ、
条文の内容に実質的な変更はありませんでした(文末の「者」を「もの」にする、引用先の条項を細かく特定するといった整えのみ)。
変わったのは附則です。最終案の附則は施行期日の1項だけでしたが、公布された条例には上記の準備行為の規定(第2項〜第4項)が加わっています。雇用経済部のページは、令和8年10月19日時点では最終案のPDFを掲載したままです。
- 対象
- 県、顧客等、事業者、事業者団体及び就業者。 第4条の禁止規定は「何人も」を対象とする。 事業者は「個人事業者(事業を行う個人をいう。)又は法人その他団体 (従業員を使用するものに限る。)であって、県の区域内において事業を 行うもの」(第2条第1号)。 法人その他団体については「従業員を使用するものに限る」という 限定が付いている。 就業者は次の3類型(第2条第2号)。 イ 事業者に使用される者で賃金を支払われる者 ロ 事業者の役員又は代表者 ハ 事業者の代表者と同居する親族であって、当該事業者の業務に 従事するもの(イ又はロに該当する者を除く) → 個人事業主本人(ロ)と、同居家族の従業者(ハ)が条例上の 保護対象に入る。一方、愛知県条例の前文が挙げるような ボランティア・公務員・委託先のフリーランスを就業者として 列挙する規定は置かれていない。 顧客等は、商品又は役務の提供を受ける者(受ける可能性がある者を 含む)、その親族・同居人その他密接な関係を有する者、 およびそれ以外で事業者の事業の遂行に関係を有する者(第2条第3号)。
- 講ずべき措置
- 6項目
講じなければならない措置
- カスタマーハラスメントの禁止(第4条)何人も、カスタマーハラスメントを行ってはならない
- 事業者の責務(第8条第1項)事業者は、基本理念にのっとり、カスタマーハラスメントに係る問題に 対する関心を高め、理解を深めるとともに、主体的かつ積極的に カスタマーハラスメントの防止に関する対策を講ずるよう 努めなければならない
- 事業者の責務(第8条第2項)事業者は、その事業に関して就業者が顧客等として中小受託事業者 (受託中小企業振興法第2条第5項に規定する中小受託事業者)その他の 関係先に対してカスタマーハラスメントを行わないように、必要な措置を 講ずるよう努めなければならない
- 事業者の責務(第8条第3項)事業者は、県が実施するカスタマーハラスメント防止施策に協力するよう努めなければならない
- 事業者による措置等(第14条第1項)事業者は、顧客等からのカスタマーハラスメントを防止するための措置と して、指針に基づき、基本方針の策定及び公表、必要な体制の整備、 カスタマーハラスメント防止のための手引の作成その他の措置を講ずるよう 努めなければならない
- 事業者による措置等(第14条第2項)事業者は、その事業に関して就業者がカスタマーハラスメントを受けた 場合には、速やかに就業者の安全を確保するとともに、当該カスタマー ハラスメントを行った顧客等に対し、その中止の要求その他の必要な措置を 講ずるよう努めなければならない
対象になる事業者・要件
- 三重県内(県の区域内において事業を行う者)
- 事業者は「個人事業者(事業を行う個人)又は法人その他団体(従業員を使用するものに限る。)であって、県の区域内において事業を行うもの」(第2条第1号)
- 就業者は、賃金を支払われる者のほか、事業者の役員又は代表者、代表者と同居する親族で業務に従事する者を含む(第2条第2号)
- 顧客等には、商品・役務の提供を受ける可能性がある者、その親族・同居人その他密接な関係を有する者、事業の遂行に関係を有する者を含む(第2条第3号)
確認日 2026-10-22
- カスタマーハラスメント防止対策(雇用経済部 雇用対策課)
- 条例本文(三重県公報 令和8年10月19日 号外・全13ページ。p.2〜p.7 が三重県条例第32号。**これが正**)
- 三重県法規集データベース(公布後の条例を収録。令和8年10月19日時点では未反映)
- 三重県カスタマーハラスメント防止条例 **最終案** 本文(令和8年6月・全7ページ)。公布版との差分は附則のみ(internal_notes 参照)
- 三重県カスタマーハラスメント防止条例 最終案 概要
- 三重県議会 令和8年定例会 令和8年10月16日議決分(議案第98号を原案どおり可決)
- 令和8年10月16日議決分 議案審議結果一覧(議案第98号 46/45/45/0 可決)
- 三重県公報 令和8年10月19日 号外の目次(「条例 三重県カスタマーハラスメント防止条例(雇用対策課)」を掲載)
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