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全国初「罰則付き」カスハラ条例、三重県議会で可決|2027年4月施行

お知らせ

2026.10.16 カスハラ対策ウォッチ|ニュース解説

三重県議会は10月16日、顧客や取引先からの理不尽な行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を防止するための条例案を、全会一致で可決しました。罰則付きのカスハラ防止条例としては全国初。2027年4月に施行されます。

ついに、という感じがします。カスハラ対策というと、これまでは企業側の自助努力や、自治体の啓発止まりという印象が強かったので。


何が決まったのか

「三重県カスタマーハラスメント防止条例」では、カスハラを「社会通念上、相当な範囲を超える迷惑行為で就業環境を害するもの」と定義しています。そのうえで、

  • 正当な理由がないのに、大声で繰り返し謝罪や面会、利益供与を求める行為
  • 卑わいな言動
  • つきまとい

といった特に悪質なものを、「特定カスハラ」として切り出しているのが、この条例の肝です。

では、特定カスハラに認定されるとどうなるのか。流れはこうです。

  1. 県が諮問した弁護士らによる審査会が、行為を審査
  2. 審査会の判断を踏まえ、知事が禁止命令を発令
  3. 禁止命令に従わない場合、県が警察などに告発
  4. 有罪が確定すると、50万円以下の罰金、または拘留などの罰則

一見勝之知事は可決後の取材に対し、「条例は正当なクレームや要望を妨げるものではなく、抑止力の意味が大きい」とコメントしています。施行までの半年間で、啓発ポスターやセミナーを通じて内容を周知していく方針とのこと。半年間で現場にどこまで浸透するか、というのは正直まだ未知数な部分もありそうです。


「罰則なし」の条例との違い

カスハラ防止条例自体は、三重県が最初ではありません。北海道・東京都・群馬県・愛知県などが、すでに罰則のないカスハラ防止条例を施行しています。これらは、カスハラの定義や事業者・県の責務を示し、啓発・周知を通じて行為の抑止を図る、いわば「理念型」の条例です。

一方、三重県の条例は一歩踏み込んでいます。禁止命令という行政処分を挟んだうえで、それに従わない場合に罰金や拘留といった刑事罰相当の制裁まで用意している。審査会という第三者機関を挟む仕組みも含め、「迷惑行為として注意喚起する」段階から、もう一段上の制度設計に進んだ、という見方ができそうです。

もうひとつ、押さえておきたいのが地元・三重県桑名市の動きです。桑名市は2025年4月、悪質なカスハラを繰り返す行為者の氏名を公表できる独自の条例を施行済みです。これまでに2件が公表の対象事案に該当しましたが、いずれも市の警告に従ったため、実際の氏名公表には至っていません。「公表」という社会的な圧力による抑止と、今回の県条例が持つ「罰金・拘留」という法的な制裁。同じ三重県内で、性質の違う2つの抑止策が並走することになります。


カスハラテックの視点から

条例ができても、現場で「これは特定カスハラに当たるのか」を判断し、審査会に申し出るところまで持っていくのは、正直簡単ではないはずです。そこで効いてくるのが、やり取りの記録。大声での要求やつきまといがあった事実を、音声や位置情報、時系列のログとして残せる仕組みがあるかどうかで、せっかくの制度を実際に使えるかどうかが変わってきます。

罰則付き条例というインパクトのある制度ができたことは、カスハラ対策を「個々の企業の自助努力」から「社会のルール」に押し上げる大きな一歩だと思います。ただ、それを現場で本当に機能させるのは、結局は地道な記録・報告の仕組みだったりする。そこは変わらないんだろうな、と感じています。

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出典

※条例の詳細・最新の施行状況は、三重県公式サイトでご確認ください。

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