2026.09.18 最新ニュース解説
2026年10月1日のカスハラ防止措置義務化を目前に控え、株式市場では「カスハラ関連銘柄」への物色が続いています。ただし、その動きは一様ではありません。年初来で見ると市場平均並みの動きにとどまる一方、直近1カ月では一部の小型テック株だけが際立って買われるという、二極化した展開になっています。
※本記事は株探(kabutan.jp)の市場ニュースをもとにした市場動向の紹介であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価は常に変動するため、実際の投資判断の際は最新の株価・開示情報をご自身でご確認ください。
年初来は「横ばい」、直近1カ月は「局地的な急騰」
カスハラ対策関連とされる14銘柄の年初来(2026年初〜9月18日午前時点)の単純平均騰落率は、約-2.1%。これは日経平均やグロース市場全体の平均とほぼ同水準で、テーマとして特別買われてきたわけではないことが分かります。
ところが、直近1カ月(8月下旬〜9月中旬)に絞ると様子が変わります。通話録音やAIボイスボットなど、カスハラ対策の”入口”を直接担う小型銘柄を中心に、市場平均を数十%上回るペースで急騰する銘柄が目立ちます。
| 銘柄名(コード) | 主なソリューション | 年初来騰落率 | 直近1カ月の傾向 |
|---|---|---|---|
| モビルス(4370) | 音声AI・カスハラ対策ボイスボット | +20.0% | 急伸(8月安値圏から+50%超) |
| ネクストジェン(3842) | 音声認識・全通話録音 | +17.0% | 急伸(+18%程度) |
| トビラシステムズ(4441) | 迷惑電話フィルタ・通話録音 | +12.4% | 高値圏でもみ合い |
| シンカ(149A) | クラウドCTI・通話自動録音 | +4.5% | 底堅い推移 |
| ビーウィズ(9216) | コンタクトセンター運営 | +3.2% | 安定推移 |
| アドバンスト・メディア(3773) | 音声認識「AmiVoice」 | +2.0% | 横ばい |
| ベルシステム24HD(6183) | コールセンター受託 | -4.6% | 横ばい(高配当株) |
| セキュア(4264) | 監視カメラ・AI顔認証 | -4.8% | 調整一巡から再動意 |
| プラスアルファ・コンサルティング(4071) | テキストマイニング | -9.9% | 7月急騰後の調整 |
| ディップ(2379) | カスハラ実態調査・求人審査 | -15.5% | 人材市況に連動し軟調 |
| セーフィー(4375) | クラウド防犯カメラ | -17.2% | グロース安で軟調 |
(表は主な銘柄を抜粋。詳細な全14銘柄の数値は元記事を参照)
二極化の中身 3つのポイント
① 「通話・音声対策」の小型株に資金集中
モビルス、ネクストジェン、トビラシステムズなど、通話録音やAIボイスボットといった”カスハラ対策の第一防波堤”を直接手がける小型株が、直近1カ月で際立って買われています。時価総額が小さく、導入イメージが直結しやすい銘柄ほど、義務化直前の思惑買いが入りやすい構図です。
② 大手BPO・コールセンター系はディフェンシブな動き
ベルシステム24HDやビーウィズのような大手コールセンター受託企業は、カスハラ対策の恩恵を受ける事業を抱えつつも、主力事業全体の規模が大きいため「テーマ株」としての急騰は見られません。値動きは業績進捗や高配当株としての地合いに沿ったものにとどまっています。
③ 「春の先回り買い」の反動をこなした銘柄の底打ち
プラスアルファ・コンサルティングやセキュアなどは、国や東京都の条例・指針がニュースになった春から初夏(5〜7月)にかけて一度大きく買われ、その後利益確定売りで調整していました。これらは8月後半に底入れし、10月の法施行に向けて再び物色される流れに入っているとみられます。
施行直前の局面で見えてきたこと
14銘柄全体の平均だけを見ると「市場平均並み」ですが、その内実は「大型・広域サービスの停滞」と「小型カスハラテック(音声・通信系)の急騰」という明確な二極化です。10月1日の義務化を目前にした現局面では、事業規模が小さく、対策との結びつきが分かりやすい銘柄群に、短期的な資金が集まりやすくなっていると言えそうです。
こうした「思惑先行」の値動きは、法施行後に実需(実際の導入件数や受注)が伴うかどうかで、その後の評価が分かれやすい局面でもあります。義務化後、各社の受注動向や決算がどう出てくるかが、次の焦点になりそうです。
出典・参考
- 株探(kabutan.jp)市場ニュース(2026年9月17日配信、2026年9月18日午前時点の株価データに基づく)
- 各銘柄の企業情報・株価データ:Traders web、日本取引所グループ(JPX)ほか
※本記事の数値は情報提供時点のものであり、閲覧時点の実際の株価とは異なる場合があります。投資は自己責任でお願いいたします。
