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【本当にあった、笑ってはいけないカスハラ事件簿 第4回】「さらって埋めるぞ」――会社役員の男が店員2人に土下座を強要した話

コラム

2026.10.16 公開

不定期連載「本当にあった、笑ってはいけないカスハラ集」第4回は、2025年に実際に報じられた事件です。これまでの3回よりも一段と物騒な言葉が飛び出す、コンビニでの一幕を取り上げます。

深夜のコンビニで、何かが起きた

2025年7月6日未明、東京都あきる野市のコンビニで事件は起きました。店員2人は、ともに20代の男性です。何が発端だったのかは報じられていませんが、客として来店した38歳の会社役員の男が、ある時点から激しく怒りを爆発させます。

「殺すぞ」「さらって埋めるぞ」

男は店員2人を店の外に連れ出し、「殺すぞ」「さらって埋めるぞ」といった言葉で脅しながら、土下座を強要しました。さらに、店員のうち1人の首をつかんで地面に押しつけ、けがを負わせたとされています。

「さらって埋めるぞ」という発言の物騒さは、これまで振り返ってきた3つの事件と比べても際立っています。発端がどんなに些細なものであっても、要求を通すための「手段」としてここまでの言葉が選ばれてしまう——カスハラのエスカレーションが、時にどれほど極端な方向に振れうるかを示す事件です。

逮捕、そして一部否認

男は強要・傷害の疑いで逮捕されました。報道によると、店員1人に土下座をさせたことは認めたものの、もう1人については「覚えがない」と否認しているとされています。自分の行為の記憶すら曖昧になるほど、感情のコントロールを失っていたことがうかがえます。

この話の「笑えない」ポイント

この事件が他の回と違うのは、加害者が「会社役員」という、一定の社会的地位を持つ人物だった点です。肩書きや立場があるからカスハラをしない、ということには全くならない——むしろ、ふだん「指示する側」「決める側」にいる人ほど、一度感情が崩れた時に、相手を力でねじ伏せようとする行動に出てしまうことがある、という点は留意しておきたいところです。

「殺すぞ」「さらって埋めるぞ」のような発言は、内容によっては脅迫罪・強要罪に該当します。また、首をつかんで地面に押しつける行為は、暴行・傷害にあたります。どこからが刑事罰の対象になるかの具体的な線引きは「威力業務妨害・不退去・脅迫・強要罪が成立する境界線チェックリスト」にまとめていますので、現場で「これはさすがに通報していいレベルか」と迷った際の判断材料にしてください。

もう一つ重要なのが、現場からの初動対応です。店の外に連れ出されてしまうと、店内のカメラの記録が及ばない場所での被害になりやすく、証拠の確保が難しくなります。深夜・単独対応・密室(または死角)という組み合わせは、カスハラが最も危険な方向にエスカレートしやすい条件がそろった状態です。「段階的対応フレーズ」や、非常時に迷わず110番する権限を現場にあらかじめ与えておくことの重要性は「【第4回】社内体制整備の5ステップ」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

この連載では、皆さんの「あの話」を募集しています

このコーナーでは、現場で実際にあった「笑ってはいけないカスハラ」エピソードを募集しています。「うちの店でもこんなことがあった」「あの時の対応、今思えば笑えるけど当時は大変だった」——そんな体験談がありましたら、ぜひお問い合わせフォームからお寄せください。いただいた情報は匿名で再構成したうえで、このコーナーでご紹介させていただく場合があります。


出典・参考

※本コーナーは、過去に報道された実際の事例をもとに、要点を再構成して紹介しています。

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