あなたの自治体で使える支援制度を調べる

【本当にあった、笑ってはいけないカスハラ事件簿 第2回】「ゲームに勝てない」で37回の脅迫メール。動機の小ささと代償の大きさ

コラム

2026.10.16 公開

不定期連載「本当にあった、笑ってはいけないカスハラ集」第2回は、現場でも窓口でもなく、スマホの向こう側で起きた事件です。舞台は、とあるスマホゲームの「問い合わせフォーム」でした。

事の発端は、「どうして勝てない」の一言

埼玉県在住の39歳の会社員男性は、約5年にわたってスクウェア・エニックスのスマホゲーム『星のドラゴンクエスト』を遊んでいました。2020年9月頃から、運営会社に「どうして勝てない」「どうしたら勝てるのか」と問い合わせを送るようになります。

ゲームの攻略法を運営に聞く、というだけなら、よくある話です。しかし、思うような返答が得られないことに、男性の苛立ちは次第に募っていきました。

37回の脅迫メール、そして配信中止に追い込む

2020年11月2日から19日にかけて、男性は同ゲームの問い合わせフォームに、「関係者をマジで殺す」という内容のメールを計37回送信します。

それだけにとどまらず、ゲームに関連する公式配信番組まで中止に追い込み、会社の業務を妨害しました。「勝てないのが悔しい」という、プレイヤーなら誰しも覚えのある感情が、現実の脅迫行為にまでエスカレートしてしまった格好です。

逮捕、そして「イライラが募った」という供述

男性は脅迫罪・威力業務妨害罪の容疑で逮捕されました。供述は「ゲームに勝てないことでイライラが募った」というもの。動機の小ささと、37回のメール送信・配信中止という代償の大きさの落差が、この事件を象徴しています。

この話の「笑えない」ポイント

この事件は、現場の対面カスハラとは違う「窓口型カスハラ」の典型例です。電話やメールの問い合わせフォームは、相手の顔が見えない分、心理的なハードルが下がり、言葉がエスカレートしやすい場でもあります。

「関係者をマジで殺す」のような文言は、内容次第では明確に脅迫罪の対象になります。どこからが刑事罰の対象になるかの線引きは「威力業務妨害・不退去・脅迫・強要罪が成立する境界線チェックリスト」で詳しく解説していますので、窓口担当の方はぜひ一読をおすすめします。

そしてもう一つ、この事件が示しているのは「記録が残る窓口ほど、立証がしやすい」という事実です。メールという形で37回分の文面がすべて記録に残っていたからこそ、立件がスムーズに進んだとも考えられます。電話窓口であれば、この記録の役割を果たすのがAI通話録音です。「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」をベースにした社内体制整備については「【第4回】社内体制整備の5ステップ」でも触れていますので、あわせてご覧ください。

この連載では、皆さんの「あの話」を募集しています

このコーナーでは、現場で実際にあった「笑ってはいけないカスハラ」エピソードを募集しています。「うちの窓口でもこんなことがあった」「あの時の対応、今思えば笑えるけど当時は大変だった」——そんな体験談がありましたら、ぜひお問い合わせフォームからお寄せください。いただいた情報は匿名で再構成したうえで、このコーナーでご紹介させていただく場合があります。


出典・参考

※本コーナーは、過去に報道された実際の事例をもとに、要点を再構成して紹介しています。

社内研修・セミナー登壇や機器導入のご相談

2026年10月のカスハラ対策義務化に向けた、社内向け研修・セミナー講師(オンライン/対面)のご依頼、現場環境に適した防犯機器(カメラ・録音機・SOS端末等)の選定・導入伴走支援を承っております。

※「自社の課題感を整理したい」など、初回30分のオンライン無料相談にて対応いたします。

コラム
シェアする
編集長をフォローする
タイトルとURLをコピーしました